本研究は, 2種類の脱穀模型実験機を用いて, こぎ歯が作用したときの稲の動きの観察とこぎ歯の歪の計測により, 穂先供給式の稲の脱穀理論の実証と, これに基づいて設定した条件下で自脱と同精度の脱粒の可否, 及び脱穀状態のセンシングの可否を確認したものである。
葉を除去した1本の稲という限定した条件下ではあるが, ストロボ写真撮影と脱穀エネルギの実測値と計算値の比較により脱穀理論を実証した。次に, 理論に基づい設定てした条件下で自脱と同精度の脱粒が可能であること, 及び, 穂切れの発生の制御は,衝突時のこぎ歯と穂の姿i勢を変更することにより可能であり, 歪ゲージを用いた場合は, 穂切れの発生の有無のセンシングは可能であることを明らかにした。