1993 年 55 巻 6 号 p. 85-94
棚栽培されているブドウの管理・収穫用ロボットの開発を目的とし, 本報ではまず対象物の3次元位置, 摩擦抵抗, 切断抵抗等の基礎的物理特性を測定した。その結果を基にして, 5自由度極座標型マニピュレータおよび把持, 切断, 押出の3つの機能を有する収穫用ハンド部を試作した。さらに, その収穫用ハンド部をマニピュレータ先端に装着し, 収穫実験を行った。その結果, ブドウの果房はほぼ水平面上に存在するため, 5自由度マニピュレータをCP制御することにより, ほぼ良好に接近可能であり, 果房でなく穂軸をフィンガにより把持し, 切断する方法で収穫可能であった。