抄録
ウリ科野菜類の接ぎ木苗を省力的に生産する装置を開発することを目的に研究を行った。装置設計に先立ち, 機械化に適する接ぎ木法, 苗形状と切断位置決め, 苗の把持, 切断そして接着資材など要素技術について検討した。装置に採用する接ぎ木法には, 活着率, 作業工程数, 機械化の難易等の面から各種方法を検討した結果, 片葉切断接ぎ法が適しているとの結論を得た。また, 切断等の位置決め基準として子葉展開基部が利用できること, 胚軸に加わる圧縮歪を胚軸径の30%以内に抑えるよう把持して, 穂木10°, 台木30°の角度で苗を切断し, 接着資材には手作業と同じクリップを用いることで高活着率が得られることを確認した。