抄録
カシューナッツ脱果機開発のため, 脱果に関連するナッツの物性値ならびに力学特性を測定した。その結果, 生のナッツの殻に平板圧縮でクラックを発生させるためには, 50~70kgfの力を加える必要があることがわかった。また, 煮沸前処理をしたナッツに対して, 一組の刃で幅方向に挾んで力を加えることにより, クラックを発生するために必要な力をおよそ20kgfまで減らせることが判明した。次に, 生産農家や加工業者がどのような脱果機を求めているかを調査した結果, 手動式並びに動力型の両方の形式の必要性が示された。一組の刃でクラックを発生させた後一方の刃をひねってからこじ開ける新たな脱果機構を利用した2種類の手動式カシューナッツ脱果機と同じ原理を用いた半自動式脱果機を設計試作した。