馬鈴薯澱粉と水からなるゲルを用いてガス置換法により密度を測定し, また馬鈴薯澱粉粉末を用いてDSCにより比熱を測定し, それぞれの実験式を得ると共に, ゲルを食品モデルとし, 温度伝導率をフラッシュ法により測定し, 有効熱伝導率を算出した。更に, 有効熱伝導率を用いて4種類の伝熱モデルを仮定して澱粉の固有熱伝導率を推算した。その結果, 直列モデルが最も適当であることが示された。また, このモデルで推算した馬鈴薯澱粉の固有熱伝導率はゲル中の水分割合に対する依存性があることが認められた。従って, 求めた値は見かけの固有熱伝導率であると考えられる。