てん菜自動間引きのための汎用性の高い画像処理手法の確立を目的とし, ほ場内でのてん菜の識別に対して, カラー画像色情報の利用可能性を検討した。カメラに入射する光量の指標として光量指数 (L/F2) を定義した。昼光下では時刻や天候にかかわらず, 画像中の植物および土壌のRGBそれぞれの輝度値は, 光量指数で回帰することができた。この回帰曲線を利用して, RGB空間上で植物と土壌を分離する最適な平面を求めることができ, 2000<L/F2<6000の範囲において, 一定のしきい値で植物と土壌を識別することが可能となった。次いで, てん菜と雑草の分離識別の可能性を検討した結果, 抽出した植物体に適宜収縮処理をした後, 葉色の色合いを識別するため, RGB輝度をYIQ表色系に変換して, 緑からマゼンダの色差を表すQの中央値を使用することにより, てん菜の原形を保ちながら雑草の55-78%を消去することができた。