農業機械学会誌
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クズウコン (アロールート) の小規模加工方法の評価
タン D. L. S.ガヤニロ V. G.宮本 啓二石橋 憲一
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1999 年 61 巻 1 号 p. 165-177

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抄録
クズウコン (アロールート) からデンプンを得るために, フィリピンで行われている4種の村落レベルの小規模な加工方法を検討した。これらはA: イロハンを用いてクズウコンの根茎を磨砕後, デンプンを調製する方法, B: 根茎をすりおろした後, デンプンを抽出する, C: チップ状にした根茎を湿式粉砕後, デンプンを調製する, D: チップ状にした根茎を乾燥後, 粉砕する方法である。その結果, Dの方法は人・時当たりの製品収量は最も高かったが, デンプン含量ならびに品質は最低であった。Bは1.47kg/人・時の収量を示し, 製品収量ならびにデンプン回収率ともに高く, 4種の方法の中では最良の方法であった。さらに, クズウコンの小規模加工に関する所用電力, 物質収支, 所用水量などに加えて, 製品の品質すなわち, 色, 粒度, 粘度などについても述べている。
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