本研究は, 植物生理に基づいた全く新しい接ぎ木法として提案したプラグ・イン接ぎ木法を基本とした接ぎ木苗生産の機械化に関するものである。前報までは, トマト (Lycopersicon esculentum Mill.) 苗を材料とした加工, 活着・順化, 成苗に至るまでの検証実験結果をもとに, このプラグ・イン接ぎ木法の有効性を示した。ここでは, 半自動型の接ぎ木加工操作機械を試作し, その性能を評価すると同時に自動機械化における問題点について整理を行った。試作機は成功率90%, 人手による挿し接ぎの1.4倍の処理速度であった。グッリパ性能, 切削抵抗, 切り屑の排除, 中心ずれ, 接合挿入力に関わる問題を抱えている。