1999 年 61 巻 6 号 p. 131-140
前輪操舵車両に装着した作業機の軌跡制御法開発のために研究を行った。前輪操舵車両の運動には「非ホロノミックな拘束」として知られる制限が存在する。この拘束に抵触せずに出発点から目標点まで多項式で表した軌跡にそって車両を誘導する制御である。車両自身 (後車軸中心) を多項式軌道にそって走行させる場合には, 出発点と目標点とを指定すれば軌道方程式を直接決定できたが, 車両に装着した作業機での軌跡方程式の決定には計算を繰り返し行う必要があった。この方法は前進している車両の後部に装着した作業の軌跡制御に直接応用できないが, 車両が後進する場合には応用できる。よって, 時間軸の反転により軌跡制御が可能であった。これら軌跡制御法の性能はシミュレーションにより確認した。