1999 年 61 巻 6 号 p. 169-178
履帯式車両が路外での走行性において優れていることは明らかであるが, 旋回性能についてはかなりの問題がある。これまでに伊藤らにより提案されている制動履帯の接地長を制御するピボット旋回を用いての旋回抵抗削減法は, 履帯式車両の旋回抵抗改善の効果的な方法と考えられる。本報は矩形及び円形状のグローサ・パターンを有する履帯モデル双方についての旋回抵抗算定のための理論的モデルについて論ずるものである。提唱したモデルの検証から算定結果が実験結果とよく一致していることがわかった。