両眼ステレオ視で果実の位置・距離を計測する手法を確実にするため, 左右画像合成方式の測定原理とその基礎的性質を検討した。一対の左右画像から作成した視差距離断面群での合成像の鮮明さを比較・判定して, 空間内の物体の色特徴, 位置及び距離を取得する方法で行った結果, 撮影距離1~4m間で±2%以内の高い距離精度であった。赤色円板を対象に, 鮮明さの指標としてRGB濃度分散とその8方向の平均分散の性質を実験によって検討したところ, 対象像全体を比較範囲としたとき, ほぼ適切なカラー画像と距離画像が同時に得られた。この方法を収穫期のリンゴ園で赤色系果実を対象に適用を試みた。距離誤差は4%の範囲内となり, 現場での利用に十分な精度をもつと判断された。