試験機I型やII型および乾燥用機器の実用性について検討するため, 黄色種葉たばこ産地延べ75箇所に右いて, 1992年から1994年にわたり実用試験を実施した。実用試験での各試験機の収穫作業精度は, 年次や着葉位置で差はあったが, 収穫率の平均値は81.4~89.9%となり, 実用的な値と判断された。また, 損傷葉率の平均値は1.6~3.4%となり, 実用上許容される範囲であった。しかし, 未熟葉, 病害葉, 濡れ葉が収穫された場合や, 作柄の不斉一などの悪条件が重なると, 手収穫に比べ乾燥後の葉たばこの外観品質は低下する傾向にあった。機械収穫技術の習熟不足などから収穫作業の省力効果は42.1%に留まった。実用試験の作業能率調査結果を基に経済性について検討したところ, 慣行作業と機械収穫作業との損益分岐点は, 処理面積約3.6haとなった。
本報までの各試験結果により, 試験機II型と改善した乾燥用機器は収穫と乾燥作業用の実用機器として, 1995年より黄色種葉たばこ産地に導入が開始された。
抄録全体を表示