抄録
ダイコン生産の中で, もっとも労力と時間が必要となる作業は, 収穫・調製及び間引き作業である。収穫・調製作業については, 近年重量野菜用関連機械の開発などにより改善されつつある。しかしながら, 間引き作業の省力化に関しては, 精密播種機械などの利用によるいくつかの試みがなされているが, ロボット等による間引き作業の省力化に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。そこで, 本研究はダイコンの間引き作業用ロボットの開発を最終目的とし, 今回それに適したダイコンの栽培様式を検討した。具体的には, 慣行栽培方式と異なる新しい播種様式及び間引き時期を提案して, この栽培様式と慣行栽培様式によるダイコン生育に差異があるか否かを調査した。その結果, 今回提案した栽培様式でも, ダイコンの生育に対して特に影響がないことがわかった。