抄録
従来, 有機廃棄物の処理方法として用いられてきたメタン発酵は, 燃焼性ガスを発生するため, 代替エネルギ生産プロセスとしても利用されてきた。しかし, メタン発酵は発酵速度や有機物除去効率の点でまだ問題も多く, 簡便な方法でこれらを改善することが必要である。著者らは発酵効率向上のための微生物活性化手法として遠赤外線セラミックスに着目し, まず, 回分式実験で発酵槽にセラミックスを投入することによってガス生成量が増加することを確認した。本報では, より実際的な連続式発酵実験によって同様の発酵促進効果を確認した結果を報告する。すなわち, この効果は, セラミックスが菌体保持担体として働いただけではなく, 放射する遠赤外線が微生物の増殖に寄与したことにもよると推察された。