2004 年 66 巻 1 号 p. 104-108
本研究は, ポストハーベスト農薬を用いることなく, 穀物を安全に環境にやさしく乾燥して貯蔵するため, 品質劣化の原因である微生物を制御する乾燥貯蔵装置を開発することを目的としている。
本報では, 穀物を撹拌しながら紫外放射 (UV) 照射を行う実験装置を用い, 乾燥後の籾と小麦に対し, 穀物付着菌の殺菌実験を行った。殺菌実験の結果, UV照度5.3W/m2で穀物付着菌を90%殺菌するために必要な照射時間は, 26~55時間であった。発芽試験の結果, UV照射による穀物の品質劣化を認める発芽率の変化はなかった。