抄録
北海道で多用されている4畦用施肥機を改良し, 施肥マップに基づき2種類の肥料の可変施肥を行う施肥機を開発した。本機は土壌分析から求めた施肥マップ, RTK-GPSで測位した圃場内のトラクタ位置, 作業速度を変数とした可変施肥が可能である。北海道芽室町のてんさい圃場において, 窒素およびリン酸の土壌成分に基づく施肥マップを作成し, 可変施肥の実用性を検討した。可変施肥を行う「マップ施肥区」の施肥量は設計施肥量の約96%, 定量施肥を行う「慣行区」の施肥量は設計施肥量とほぼ同じであった。「マップ施肥区」の窒素施肥量を「慣行区」の80%としたが,「マップ施肥区」と「慣行区」におけるてんさいの修正糖量はほぼ同じであり, 修正糖量のバラツキは「マップ施肥区」が少なかった。