農業機械学会誌
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種堆肥の混合が家畜ふん堆肥化の初期過程に及ぼす影響
温度上昇に関わる微生物活性と材料pHの検討
宮竹 史仁岩渕 和則阿部 佳之本田 善文
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2008 年 70 巻 2 号 p. 97-103

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抄録
種堆肥混合が家畜ふん堆肥化の初期過程に及ぼす影響を検討した。この結果, 初期材料のpHと微生物数が種堆肥混合により影響されることが明らかになった。低pH材料への種堆肥混合は, 初期材料pHを上昇させることで初期過程の温度上昇の遅延を防ぎ, 堆肥化反応を促進させた。種堆肥の混合は初期微生物数を増加させ, 広範囲の温度域で高い比増殖速度を示した。これは同時に熱発生速度の上昇に寄与し, 約50℃で見られる温度上昇の停滞を解消した。但し, これらの初期微生物数の増加による効果は初期反応全体を促進させるほどではないが, 微生物活性を増強させスムーズな温度上昇をもたらす可能性が期待される。
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