本研究の目的は,低段密植で栽培したトマトを果房ごと収穫し,その収穫物を調製出荷室まで搬送するシステムを開発することである。本報では,まず果柄の検出が容易な栽培様式を検討し,栽培ベッドの側方に溝を設けた角パイプを水平に設置した。その角パイプの溝に果柄を固定することで,果柄の方向を通路側に揃えることが可能であった。次に,角パイプの溝に固定した果房を収穫するトマト果房収穫ロボットを試作した。ロボットの収穫部は,直交3軸のマニピュレータとエンドエフェクタで構成し,エンドエフェクタのハサミは,果柄を把持すると同時に切断する機能を有する。収穫実験を行った結果,収穫成功率は76.9%であった。