バイオマスは重要な代替エネルギー資源であるが,一般に高含水率であるため利用が困難である。本研究では産業用ロータリーキルン燃焼炉を用いて,含水率84.1 %の乳牛ふんを半炭化によって燃料用炭製造を試みた。乳牛ふんは250℃および300℃では3回の回分半炭化操作を要したのに対し,炭化温度の低い200℃ではより長い4回の操作が必要であった。各炭化温度において乳牛ふん炭化物の質量収率,含水率,有機物含有率および高位発熱量(HHV)は半炭化の進行とともに減少した。生産効率は300℃で高く,これは高温であるがゆえに半炭化に要する時間が短く,エネルギー消費量少なかったためである。