2025 年 87 巻 4 号 p. 341-354
ほ場作業時などの平坦路面の低速域におけるトラクタの片前輪脱輪時の挙動について,静的な力の釣り合いモデル式を立案し,トラクタ実機を用いてモデル式の妥当性を示した。トラクタの片前輪脱輪時の横転発生条件は,トラクタの重心位置,前後輪距,軸距,前車軸最大回転角,前車軸取付ピン高さの関数で求めることが出来る。また,トラクタは前車軸に有するピボット構造により,片前輪脱輪時に横転が発生しやすくなる方向に重心が移動する。モデル式を用いてパラメータスタディを行った結果,前輪輪距が後輪輪距より狭くなるほど片前輪脱輪時に横転は発生しにくくなり,前車軸取付ピン位置が低いほど横転は発生しにくくなることを明らかにした。