人工血管と生体血管との吻合部に関する研究

抄録

最近人工血管と生体血管との吻合部に発生する種々の合併症のうち, 特に吻合部動脈瘤の問題が注目されている. そこでテトロン製人工血管を移植後4年, 6年, および6年半後に発生した吻合部動脈瘤の3症例とデトロン製人工血管を移植後8年目に他の疾患で死亡した症例の吻合部を病理組織学的に検討した. さらに有孔性のきわめて大きい不織布人工血管を雑種成犬38頭の腹部大動脈に端々吻合移植した毛のを移植後11日から240日の間にとり出し, それらの吻合部を病理組織学的に検討した結果について報告する.