1982 年 11 巻 3 号 p. 783-785
抗血栓性高分子材料を開発する目的で, 三酸化ビスマス, 硫酸バリウム, 酸化チタン, 炭酸カルシウム, 酸化アルミニウム, 酸化ケイ素, 四酸化三鉛, 酸化第二スズなどの充填剤表面とヒト標準血漿とを十分な接触比率でインキュベーションしたのちのヒト標準血漿の凝固因子活性を測定した. 凝固因子の活性値の変化は広範であり, その活性低下はきわめて有意なパターンを示した. 抗血栓性材料を作成するときに使用する充填剤を選ぶに当たっては上述した凝固因子活性への影響を考慮に入れることが重要である.