人工臓器
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V遠心ポンプを用いた両心バイパス法での慢性期動物に対する至適灌流量に関する検討
矢田 公草川 實四津 良平佐藤 尚源崎 弘章小池 荘介能勢 之彦高谷 節雄
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1984 年 13 巻 1 号 p. 262-265

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抄録
われわれは, 無拍動流灌流下での種々の生体反応を知るために, 定常流ポンプを用いて両心バイパスを行い長期生存実験を行った。その結果5頭の30日以上最高99日までの長期生存例が得られ, 無拍動流灌流下での生理現象を知ることが出来た。血行動態および重要臓器機能においては, 全経過を通じてほぼ正常域に維持できた。また右心房圧と血流量とは高い相関関係を示し, 血流量が低下すると右心房圧の上昇を認めた。このことより正常域の右心房圧(10mmHg以下)に維持するためには, 血流量は90ml/kg/minを必要とした。また血流量が90ml/kg/min以下の血流量になるとPvO2の低下, A-VO2較差の増大, CBVの増加がみられ, 無拍動流灌流下での至適灌流量は90ml/kg/min以上必要であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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