抄録
中空糸型血漿分離器において, 中空糸の内径, 中空糸の長さ(L), 膜面積(A)が最大血漿ろ過流量(QFmax)に与える影響を調べた。試作した7種類の分離器について, QFmaxをイヌex vivoで測定した。ex vivoで測定されるQFmaxにはヘマトクリット(Ht)の影響が含まれるため, HtとQFmaxの関係をin vitroで調べた。このin vitroでの結果をもとに, ex vivoで測定されたQFmaxをHt=40%における値に換算した。これらの換算したQFmaxのデータをColtonらの赤血球濃度分極モデルを用いて解析した。その結果, 分離器の入口でのろ過圧力が50mmHg以下の範囲で, QFmaxはA1.3γw/L1/3(γw:平均ずり速度)と直線関係があることがわかった。さらにこの関係をもとにして, 血流量が100ml/minと50ml/minの条件で使用される分離器の最適仕様を求めた。