人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
補助循環の臨床; とくにIABPと補助人工心臓の臨床
塩野 元美宮本 晃北村 信三進藤 正二秋山 謙次折目 由起彦滝戸 直人並木 義夫瀬在 幸安渥美 和彦藤正 巌井街 宏
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 14 巻 2 号 p. 567-570

詳細
抄録
心原性ショック例, 体外循環離脱目的および術後低拍出量症候群などに対し, 計101例で大動脈内バルーンパンピング法を施行し, その効果と限界に関し, 若干の知見を得た。
すなわち開心術中, 術後の使用では, 心係数1.84l/min/m2以下, 肺動脈懊入圧25mmHg以上, CVP25cmH2O以上などき示す症例では, IABPによる補助効果は期待しがたく, さらに有効な補助循環手段が必要と思われた。
また, 開心術後2例において, IABP無効の症例で, 補助人工心臓の使用を経験し, いずれも著効を示し, システムからの離脱に成功したものの, 長期生存は得られておらず, 今後の基礎的ならびに臨床的進歩が期待されるものと思われた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top