人工臓器
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新しい細胞分離用吸着体の分子設計とその評価
片岡 一則桜井 靖久丸山 厚鶴田 禎二
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1985 年 14 巻 2 号 p. 696-699

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抄録

治療・診断技術の進歩に伴い, 新しい効率的な細胞分離法の出現が, 基礎及び臨床医学分野で強く望まれている。特に, リンパ球の二大亜集団であるB細胞とT細胞の分離は, 各種免疫疾患の診断, 臓器移殖における組織適合性の判定, モノクロナル抗体やリンホカインの産生等に不可欠である。我々は, B細胞とT細胞の簡便かつ迅速な分離法として細胞吸着クロマトグラフィーに着目し, 高いB・T分離能を有する吸着体の開発を系統的に進めた結果, 塩基性のポリアミンを側鎖とする櫛型共重合体がそのような吸着体として優れた性能を有することを見い出した。本報告においては, この吸着体の具体的な分離特性を, 従来B, T細胞分離用の吸着体として汎用されて来たナイロンと比較して示し, その優位性を実証する。さらに, 細胞分離用吸着体を分子設計する指針として、櫛型共重合体を含めた多相系高分子材料の有用性についても議論する。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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