人工臓器
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人工腎臓の小型化の問題点と解決法
大坪 修渡辺 俊文五十嵐 浩二
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1986 年 15 巻 1 号 p. 129-132

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抄録
小型人工腎臓としては, CAPDやCHF (Continuous hemofiltration) なども含まれるが, CAPDは感染, CHFは活動性の制約などの問題がある。
現在の透析を主とした小型人工腎臓としては, 各種の吸着剤をくみあわせた灌流液再生式が研究されてきている。この灌流液再生式人工腎臓の問題点としては, 1) 尿素を直接吸着するものがない, 2) 燐の吸着剤であるアルミナによる副作用, 3) 吸着剤の量がおおく, 重量が重くなる, などがある。
このためには, 1) 尿素吸着剤としてシリカ系吸着剤の開発, 2) 燐を吸着するイオン交換樹脂の開発, 3)ワンタッチで交換可能なカセットタイプの吸着カラムの開発, などをすすめている。
しかし, より軽い, 高性能の装着型人工腎臓の開発には, より効率, 安全性の高い吸着剤の開発が必要である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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