人工臓器
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生体内分離性高分子材料, ポリラクチドによる肋骨接合ピン
加藤 弘文中村 達雄渡部 智清水 慶彦玄 丞烋筏 義人
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1986 年 15 巻 1 号 p. 183-185

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抄録
成犬に肋骨骨折を作成した。Poly-L-lactic acid (P-L-LA) 製肋骨接合ピンを髄内挿入固定に使用した。短期間の成績は以下の通りである。
(1) 9本中3本は早期に折損し, 肋骨接合部は位置が少しずれていた。
(2) P-L-LAは2~3ヶ月にわたり, 走査電顕上でも有意な形態的変化はみられなかった。
(3) P-L-LAの分子量は次第に低下し, 2ヶ月の時点で50%に低下していた。
(4) 肋骨の組織はP-L-LA挿入部には健常な骨梁を伴う海綿骨があり, 界面にはほとんど炎症細胞もなく, 膠原線維の増生は全くなかった。切断面では骨膜からの硝子軟骨の増生がみられ, 順調な骨修復がおこなわれていた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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