抄録
アミド結合を有する芳香族ジアミンで鎖延長したポリエーテルセグメント化ポリウレタンの相分離構造, 力学的挙動及び血小板との相互作用について検討した。各材料ともソフトセグメントとハードセグメントから成るミクロ相分離構造を形成し, アミド結合を導入することにより弾性率が低下しハードセグメントの分子間相互作用の低下が認められた。また, カラム法による血小板粘着の解析を行なった場合, カラム内流速の増大に伴なう粘着血小板数の低下傾向はアミド結合を導入した材料でより顕著となり, こうした材料表面における血小板活性化の抑制が示唆された。このことからハードセグメントの官能基の種類やその配列を変化させることにより, 材料物性を効果的に変化させ, かつ血小板の活性化を抑制し得ることが明らかとなった。