人工臓器
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ミクロ相分離構造を有するブロツクコポリマーのex vivoおよびin vivoにおける評価
明見 仁青柳 隆夫篠原 功岡野 光夫片岡 一則桜井 靖久
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1986 年 15 巻 1 号 p. 294-297

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抄録
ウサギ頸部動静脈間シャントを用いて、抗血栓性を有するブロックコポリマーが循環する血液に与える影響について検討した。具体的には、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)-スチレン(St)、パーフルオロアルキルアクリレート(FAA)-St、エチレオキサイド(EO)-St、HEMAEOの4つのミクロ相分離構造表面を有するブロックコポリマーとホモポリマーを用いてA.-Vシャントを形成し、血流中の血小板数、血小板粘着能、血小板凝集能の経時変化について検討した。その結果ホモポリマーを用いた場合には血小板数、粘着能、凝集能共に急激に低下した。また、EO連鎖を有するブロックコポリマーを用いた場合には、血小板数と粘着能のゆっくりとした低下が認められた。一方HEMA-St、FAA-Stブロックコポリマーを用いた場合には、このような現象は認められず、優れた血液適合性を発現することが明らかとなった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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