1986 年 15 巻 1 号 p. 447-450
ハイドロキシアパタイトち密体で作成した皮膚ボタン(直径12mm, 厚さ2mmの円盤状の台の中心より直径25mm, 高さ8mmの円柱を垂直に設け, 頂点を5mmのポタン様にした構造で, ボタン様の部分のみを体表に露出する)をヒト前腕皮下に植え込んだところ, 感染を全く起こさず, 浸出液もなく, 皮膚とボタンとは癒着した。5ケ月間以上にわたり痛みや異和感は全くなく, 生活には支障なく入浴, 水泳も可能である。現在は消毒などの処置は何らせずに露出して放置している。
本材料は生体計測や制御のための皮膚インターフェースとして臨床的に用いることができ, 人工臓器への応用が可能と考えられた。