人工臓器
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酵素・免疫センサの生体内応用
山崎 義光
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1987 年 16 巻 3 号 p. 1274-1277

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抄録

人工臓器は生体のホメオスターシスを人工物で代行せんとするものであり, 各種センサの開発が, その飛躍的な進歩をもたらした。その一典型例である人工膵島による長期血糖制御には, ブドウ糖センサの長寿命化, インスリン免疫センサの開発が必要である。微小針型ブドウ糖センサ皮下組織留置時, 微小血栓および体液構成成分の膜表面への付着等によりセンサ活性が低下する。そこで, アルギン酸-ポリリジンーアルギン酸膜を付加, 抗血栓性を高め, 3週間にわたる生体内連続ブドウ糖測定が可能となった。抗インスリン抗体を固定化したインスリン免疫センサ(非標識免疫センサ)を試作した。センサ出力はインスリン負荷後直ちに上昇, 125mU/ml-4U/mlのインスリン濃度において電極電位変化の直線性を示した。これらのセンサの開発・長寿命化は各種センサのプロトタイプとして, 臨床応用上より優れた人工臓器開発に大いに資すると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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