抄録
リポ多糖体(LPS)が有する抗腫瘍作用に着目し、LPSを不溶性担体に固定化した材料であるLPS固定化繊維を開発してきた。LPS固定化繊維を用いたDirect Hemoperfusion療法を担癌家兎に施行して、家兎VX2腫瘍の成長抑制、縮小効果を確認し、その抗腫瘍活性について報告してきた。
今回LPSをヒドロキシルアミンで処理し、脱アシル化LPSを作り、これを不溶性担体に固定化した脱アシル化LPS固定化繊維を作製した。1) 脱アシル化 LPS-F群 2) 脱アシル化 PS-F群 3) Carrier-F群 4) 無処置群とし、日本白色家兎の後ろ足大腿筋肉内に1×106個のVx2腫瘍を移植、移植後7日目にLPS-F充填カラムによるDirect Hemoperfusion療法を施行した。
大腿筋肉の厚さ(腫瘍増殖)では各群間に差はなかった。生存率において、44日目以降脱アシル化LPS-F群に生存率の延長傾向を認めた。