抄録
発熱時に自動的に至適ペーシングレートにレートを制御し延命効果を期限できるrate responsive pacemakerとして血液温感知型(TSP)と呼吸感知型(RSP)を試作して動物実験を行ない2-4-Dinitrophenol (DNP)を経口投与して発熱させた。その結果、DNP投与により酸素消費量は増大し、それに伴って血液温は常に上昇するが、呼吸数は変動が大きく代謝が亢進するにもかゝわらず減少を示すものもみられ、それと共にペーシングレートも減少した。しかし代謝亢進の初期には血液温の上昇より呼吸数の増加が早く認められた。すなわち、TSP群では代謝亢進の初期のレートの増加に遅延がみられるも、発熱の全経過を通じてレートは血液温の上昇と共に増加し心拍出量もそれに伴って増加した。RSP群では血液温が上昇してもレートおよび心拍出量の減少を示したものもあるが代謝亢進初期には早くからレートが増加し有用であった。