人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
血液温感知型と呼吸数感知型rate responsive pacemakerの発熱時での比較
原田 幸雄石神 直之山口 貴司吉村 敬三杉浦 敏文木村 元彦水品 静夫
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 17 巻 3 号 p. 1183-1186

詳細
抄録
発熱時に自動的に至適ペーシングレートにレートを制御し延命効果を期限できるrate responsive pacemakerとして血液温感知型(TSP)と呼吸感知型(RSP)を試作して動物実験を行ない2-4-Dinitrophenol (DNP)を経口投与して発熱させた。その結果、DNP投与により酸素消費量は増大し、それに伴って血液温は常に上昇するが、呼吸数は変動が大きく代謝が亢進するにもかゝわらず減少を示すものもみられ、それと共にペーシングレートも減少した。しかし代謝亢進の初期には血液温の上昇より呼吸数の増加が早く認められた。すなわち、TSP群では代謝亢進の初期のレートの増加に遅延がみられるも、発熱の全経過を通じてレートは血液温の上昇と共に増加し心拍出量もそれに伴って増加した。RSP群では血液温が上昇してもレートおよび心拍出量の減少を示したものもあるが代謝亢進初期には早くからレートが増加し有用であった。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top