抄録
生体内分解吸収性のプレジェットをポリグリコール酸不織布より製作した。この安全性、気管気管支外科における有用性を動物実験にて確認した後、呼吸器外科手術で肺瘻気管支瘻胸膜欠損部に使用してその安全性、操作性を検討した結果を報告する。
気管気管支系に11例、肺瘻、胸膜欠損部に39例、計50症例に用いた。従来のテフロンプレジェットと比較して操作性作業性に優れ、臨床効果でも空気漏れ防止効果、止血効果、縫合部補強効果を検討したが、十分満足のいく成績であった。特に気腫性肺病変症例に対しては、術後エアーリーク持続期間の短縮がみられた。副作用及び愁訴はいっさい認められなかった。本材料は臨床的に有用であると考えられる。