抄録
ポリ乳酸グリコール酸(P-LA-GA)にて生体内吸収性cuffを作製、透析患者の内シャント吻合に使用した。前腕での外シャントの内シャント化術を対象とし16例に行った。16例中2例が1週以内に閉塞したが残りは術直後より内シャントとして使用可能であり平均4.1±2.7カ月の観察期間中十分な血流量を確保できた。血管造影による吻合口狭窄度をみると、術1週では吻合内径は動脈内径の50±11%※であったが経時的に拡張し15週には78.4±8.8%※となり、また内面の連続性が増大し安定した内シャントとなった。Blood accessにおける吸収性cuffの使用は外シャントの内シャント化術が最もよい適応になると考えられる。流量の得られた症例では、経過とともにcuffが吸収され吻合口の拡張と連続性が増大し、この吻合法の有効性が示された。※(mean±SD)