抄録
本研究では、おおつ環境フォーラムを事例に、学習する視点から組み立てたグループウェアと、デジタル地図上でメンバーが登録・共有できるWebGISと、コミュニティ形成支援「WAKARU」の3つのシステムを構築して、これを運用・評価して、環境パートナーシップ組織のITマネジメントについて提案することを目的とする。
構築したグループウェアは、おおむね市民に対する活動PRや事務処理に効果的であるが、イベント参加申込・受理通知機能や、会計報告機能の追加が必要なことが明らかになった。WebGISは、紙地図と併用するワークショップにおいて、テーマ横断型の学区別の地域課題をメンバーが共有していく上で効果的であることがわかった。WAKARUは同時にログインして同期的に行動するワークショップを行うことによって、意見の分布がわかり、多面的な交流が生まれることがわかった。
フォーラムが母体となり、これら3つのシステムを、集合研修や、オフラインのワークショップと併用して使うことで、6つの機能と2つの意見共有・交流の効果があることを示した。また、このシステムを運用する上でのフォーラム内のプロジェクト等の役割と、外部のNPO、CBO、学生の役割を示した。