人工臓器
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表面微細領域における蛋白質の固定化技術
菅原 隆松田 武久
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1992 年 21 巻 1 号 p. 186-190

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抄録
表面微細領域に蛋白質の化学固定化をすることを目的として、光化学反応を用いた新しい表面固定化技術の開発を行った。用いた化学反応は、1)光照射することによって近傍の炭素と共有結合を生成するフェニルアジド基の光反応性、2)光照射によって開裂してカルボキシル基を生成するo-ニトロベンジルエステル基の光反応性の2種類である。1)ではフェニルアジド基を導入した蛋白質の基材表面への吸着と光照射による化学固定法、2)では生成したカルボキシル基に縮合剤である水溶性カルボジイミドを用いて蛋白質を結合させる方法について検討した。X線光電子分析による表面の解析では、いずれの場合にも蛋白質が表面に化学固定されたことが確認された。またフォトマスクを被せて光照射すると露光部のみに蛋白質が化学固定されたことを、酵素抗体法を用いた染色法、及び原子間力顕微鏡による観察によって明らかにした。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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