抄録
ファイブロネクチンの細胞接着活性部位であるRGD (Arg-Gly-Asp)ペプチドをアルブミンに結合させたRGD-アルブミン複合体(RGD-ALB)を用いて、細胞接着活性が創傷治癒に及ぼす効果をin vivoにて検討した。ポリウレタン製スポンジに、RGD-ALB、ファイブロネクチン(FN)、アルブミン(ALB)をコーティングしてラット皮下に埋入し組織の侵入を経時的に観察した。その結果、RGD-ALBとFNでは埋入直後から炎症性細胞の侵入がみられ、埋入後1週間までにスポンジ内部まで結合組織が侵入した。一方未処理およびALBでは、炎症細胞の侵入は軽微で組織侵入は大幅に遅れた。また、RGD-ALBおよびFNには走化性活性が認められず、組織侵入の促進はRGD-ALB、FNのもつ細胞接着活性によるものと考えられた。