抄録
乾燥きのこ中に残存する酵素を活用した酵素製剤として利用することを目的として,栽培きのこ5種類の乾燥品にβ-グルコシダーゼが残存しているかを確かめたところ,全ての乾燥きのこに活性が検出された.乾燥シイタケ中の酵素活性は37℃の方が60℃よりも高かったが,乾燥マイタケと乾燥ブナシメジでは60℃で活性が高かった.1年間保管後,乾燥エリンギと乾燥ブナシメジで酵素活性の保存性がよかった.乾燥過程の加熱の影響を調べるため,乾燥機による加熱乾燥と加熱を伴わない減圧乾燥により乾燥きのこを調製した.乾燥直後は,減圧乾燥試料のほうが活性が高い傾向が見られたが,1年保管後には差が顕著には見られなくなった.干しシイタケ製造の乾燥方法で調製した乾燥きのこ中の酵素が安定であるということは,既存の装置と乾燥手法で酵素製剤の製造が可能であることを示唆する.