1992 年 21 巻 1 号 p. 259-261
1989年1月より1991年10月までにAAE (annulaortic ectasia) 14例に対しSJM弁付き人工血管を用いて手術を行った。手術法はBentall法2例, Cabrol法4例, Piehler法7例, Carrel Patch手技1例であった。人工弁上の皺のない特殊構造は弁付き人工血管挿入後の良視野を確保し, 又, Bentall法やCarrel patch手技では冠動脈口との密着性を良くし手術をより確実なものとした。手術死亡は無く, 経食道エコー, CT, MRIにに術後評価を行ったが縫合不全, 漏れなどの異常は認めず, 又, 従来の人工血管との差も認めなかった。遠隔成績も良好であるが原疾患の性質上注意深い経過観察が必要である。