人工臓器
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自動制御血液ポンプを用いた新生児・小児用自動ECMO装置の開発と性能
瀬尾 孝彦伊藤 喬廣飯尾 賢治加藤 純爾高木 啓之
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1992 年 21 巻 1 号 p. 32-37

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抄録

小児Extracorporeal Membrane Oxygenation (ECMO)の安全性と管理の簡便化を目的に、空気駆動サック型拍動流ポンプである高木式ポンプを用いた自動ECMO装置を開発してきたが、より完成度の高いモデルを作製した。ポンプは血液室の破損時に空気が混入しないように、血液室と空気室の間に生理食塩水を介在させた。駆動制御装置も、ポンプの拍出のタイミングの設定を自動化したこと、ECMOのweaning時に便利なように“delay”機構を導入し、容易に流量変更が可能となった。また、Mock回路での48時間後のfree-Hbはローラーポンプの3分の1と血液学的にも優れていた。一方、Venoarterial ECMO (VA-ECMO)の生体に対する反応の一つとして循環動態への影響を検討した。ECMO流量の増加により両心室拡張末期圧の上昇、左室収縮期圧と末梢収縮期動脈圧間の較差の出現、心拍出量と冠血流量の減少等の所見が得られ、流量の増加により心への負担が増加することが示された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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