抄録
摘出した腎臓の常温灌流を行い、PHPの常温灌流液としての有効性とUW溶液成分添加の効果を評価した。腎臓は雑種犬から摘出後直ちに、保存箱、灌流液リザーバ、人工肺、及び駆動ユニットで構成される灌流回路に接続した。Na+ 140mEq/l及びK+ 4mEq/lを含むPHP(PHP(E))、UW溶液(UW)、及びPHP(E)にUW溶液の成分を混合した灌流液を用いた。温度と灌流圧力はそれぞれ37℃、100mmHgに制御した。12時間の灌流中、UW及びPHP(E)はpHの明確な変化を示し、一方、PHP(E)+UWはPHP(E)よりも高い酸素消費を示した。組織所見では、糸球体よりも尿細管の変性が著しく見られ、特にUWのみの使用時では、好酸性の変性が、PHP(E)では軽度の水腫様変性が特徴的であった。障害度では、PHP(E)+UWが最も軽度であった。以上、PHP(E)を用いた常温灌流保存には、UWの成分が有効であると考えられた。