人工臓器
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人工心臓を用いた重症心不全の治療成績向上のための研究
妙中 義之中谷 武嗣赤城 治彦増澤 徹高野 久輝
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1992 年 21 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

従来の治療法の限界を超えた重症心不全に対する各種人工心臓を用いた治療の成績向上のために、人工心臓システムの改良と開発の面から検討した最近の我々の研究について述べる。一時的使用補助人工心臓では、左心補助人工心臓での経静脈経心房中隔的左房脱血管挿入法と、患者の自己心の拍出動態を動脈圧波形と補助人工心臓からの拍出流量波形に基づいて計測する方法を開発した。また心移植へのブリッジ使用用として左室心尖脱血式の腹腔または腹壁内埋込型空気駆動式補助人工心臓と空気駆動式全人工心臓を開発している。また、心臓置換の適応患者の救命のために、血液ポンプとアクチュエータを分離して植え込むエレクトロハイドローリック式完全体内埋込型全人工心臓システムの開発も行なっている。さらに、各種補助循環用の耐久性と抗血栓性に優れた遠心ポンプの開発と改良も進めている。これらの研究により人工心臓を用いた治療成績が向上すると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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