人工臓器
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広範囲医療領域にわたる血液浄化法基調講演-各種病態と血液浄化法の進歩
葛西 眞一
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1992 年 21 巻 1 号 p. 73-76

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抄録
病気は、体内に蓄積した有毒物質に起因するという考えは古くヒポクラテスの時代からあり、その予防と治療に瀉血という技術がすでに存在していたという。近代医療における血液浄化法の試みは、1914年Abelのコロジオン膜を用いた血液透析あるいは遠心型の血漿分離などを嚆矢とする。今日では、血液浄化法として、透析、濾過、吸着、血漿分離などの技術が用いられ、血液中の有害物質を除去する治療法が広く臨床的に行われている。しかしながら、血中の有害物質は、各種病態により異なり、また、いまだ同定されていない物質も残されている。腎不全に対する血液透析でさえ、高分子物質の蓄積による障害がようやく明らかになりつつある段階である。本文では、血液浄化法の歴史を述べた上で、その現況と問題点について概説する。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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