抄録
補助循環施行時の左室内血栓形成は, 全身性の血栓塞栓症を引き起こす極めて危険な合併症である. 我々は開心術後補助循環を施行した16例中, 左室内血栓を合併した3症例について検討を加えた. 1例は国循型LVASを用い, heparin間欠投与でACT 150秒前後とし, 2例は遠心ポンプと膜型人工肺によるV-A bypassを行い, heparin及びFUTの持続投与を施行したが左室内血栓を防げなかった. 補助循環中の左室内血栓には, 人工弁, パッチなどの人工物使用, 高度の左心機能低下による血流停滞が大きな要因と考えられた. 左房内または左室内へのlocal heparinization, 及び自己心の拍出促進が予防に肝要であると考えられた. また心エコーによる経時的観察が有用であると考えられた.