抄録
Omniscience弁(OS弁)による僧帽弁置換症例において見られる開放角低下現象の臨床的意義をさぐるため当院で施行したOS弁による僧帽弁置換耐術例29例中1984年から1988年にかけて25例に施行されたシネX線フィルム撮影上, 安静時最大開放角が40度以下であった症例15例を対象に追跡調査を行った。
2例が血栓弁のため緊急再弁置換を受けた。1例が突然死していた。11例に施行した心臓超音波検査上僧帽弁最大圧較差13.5±3.0mmHg, 有効弁口面積1.2±0.5cm2と中等度以上の僧帽弁狭窄状態にあることが判明した。有効弁口面積が1.0cm2以下であった2例は次第に僧帽弁狭窄症状を呈しNYHA III度となり, 内1例は再弁置換術により改善した。最大開放角が初回検査時に比し5度以上低下していた症例が4例見られた。特に最大開放角35度以下であった症例に心不全発生, 血栓弁が生じており要注意群と考えられた。