抄録
現在、人工弁置換手術は心臓弁膜症の最終的治療法として行なわれているが、弁機能に関する問題も多く、未だヒトの自然弁に匹敵する人工弁の登場は見られていない。そこで、我々はヒトの自然弁に近い流体特性を有する中心開放型機械弁の開発を試みている。我々は、従来より人工弁材料として使用されている熱分解性カーボンに代わって、表面処理を施した加工性の優れたアルミニウム基金属を人工弁材料として用いており、耐久性の向上、弁の廉価化を図っている。
本報では、中心開放型機械弁の試作(開発弁)を行い、In vitro実験での流体動態的特性についての評価を基に、流体力学的に優れた弁形状の検討を行なった。実験の結果、軸位置70%、弁葉の曲率9%の弁が流体力学的に最も適当な弁形状であることが示された。また、開発弁は、およそ既存の2葉弁に近い流体力学的特性を有することも示された。