人工臓器
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胸部大動脈瘤手術における左心バイパス及び一時的体外バイパスの比較検討
大谷 則史笹嶋 唯博稲葉 雅史森本 典雄吉田 博希久保 良彦
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1992 年 21 巻 2 号 p. 747-750

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抄録
教室で経験した下行胸部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤、DeBakey III型解離性胸部大動脈瘤において補助手段として、一時的体外バイパス(TEMP)、遠心ポンプ(LAB)を用いてきた。今回、TEMP21例、LAB10例について比較検討した。TEMPは開設期より1988年3月まで用いており、それ以降はLABを補助手段として用いている。LABは手術時平均年齢がTEMPより高齢であった。またLABでは術中出血量がTEMPより有意に少なかった。LABでは灌流量を高流量に維持しているため、大動脈遮断中の末梢灌流圧をTEMPより高く維持することができ、分時尿量も多い傾向にあった。以上よりLABでは主要分枝の灌流も安全に行えかつ容易であり、分枝の再建も安心して行えるため有効な補助手段である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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