人工臓器
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赤外分光分析による血糖計測法の開発
―口唇粘膜スペクトル解析によるブドウ糖定量化―
梶原 研一郎西田 健朗橋口 恭博上原 昌哉榊田 典治福島 英生七里 元亮
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1992 年 21 巻 3 号 p. 1099-1103

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抄録
著者らは減衰全反射装置(ATR)をフーリエ変換赤外(FTIR)分光計の試料室部へ導入, 血液試料の表面薄層中のブドウ糖分子による吸光スペクトルを解析することにより, 試料中ブドウ糖濃度の定量化が可能であること証明した。更に, 本法を生体粘膜, 皮膚表面試料に適用する場合にも, 血液試料ζ同種のスペクトル型が得られる。しかし, 血液試料の場合と違い, 吸光スペクトルは減衰全反射ブリズム・試料間接着圧に依存するため, 吸光強度とブドウ糖濃度の間には単純な一次の応答が証明できない。我々は今回, 波数2920cm-1に出現するCH2基の非対称伸縮バンドに基ずく吸光ピークの二次微分値をリファレンスとして, 蛋白・脂質による背景スペクトルの接着強度の変動に伴う変化を補正する式Y=0.295X-0.077(r=0.910, X: 2920cm-1における吸光スペクトルの_次微分値[cm-2], Y: 1033cm-1における吸光スペクトルの二次微分値[cm-2])を得, これを用いて口唇粘膜スペクトルよりブドウ糖スペクトルを分離, 血糖値Z(mg/100ml)と1933cm-1における吸光スペクトルの2二次微分値Y[cm-2]間にZ=(1.16Y+0.131)・103(r=0.773)と高い一次の相関を得た。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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